海外では 抹茶 がウケる?ウケない?

JETRO_Global_Eyes_20160127

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最近のTVニュースや特集でも、「世界の中の日本食」が話題になることが増えてきました。
「海外で 抹茶 がブーム」という話を耳にされた人も多いと思います。
2013年に和食がユネスコ無形文化遺産に登録されたこと、2015年度に訪日外国人旅行者が2000万人を突破したこと、TPPやRCEPなどの経済連携が身近になってきたこと、2020年の東京オリンピック、など様々な追い風があるからでしょう。

では、本当のところ、 日本産食品は、どこまで海外で受け入れられているのか?
そして、どんなものがどの国でウケているのか?

JETRO調査レポートには、目を瞠るものが多々ありますが、その中でも特に「これは!」と感じたのが、
JETROテレビ番組「 おいしい日本の食べ方 国が変わればこれだけ違う!」 (2016年1月27日放送)
内容は、日本の食材について、米国、中国、タイ、英国の人たちがどう感じるか、5点満点で評価してもらった、というもの。
取り上げられている内容を少し紹介させてください。


抹茶 は美味しい?

例えば、抹茶。
「タイや米国で抹茶がブームになっている」という海外バイヤからの情報があったので、「どうやら世界的に抹茶がブームになっているらしい」と短絡的に思い込んでました。
ところがドッコイ。
各国出身者を招いての「試食テスト」の結果、国や民族によって味覚や好みがかなり変わります。
率直に言って、ここまで違うんだ、と認識を新たにしたくらい。

米国

そのままでは大不評。

まずい!シャワーを浴びたいくらい

(そこまで言うか!) 

しかし、牛乳で割り砂糖を加えると、

スターバックスだね!

甘くて好き!

と高評価に。

中国

ここでも不評。

コーヒーと一緒に割った方がいい

(ええっ!本当に?) 

そこで、コーヒーで割って飲んでもらうと、

おいしい!中国には、お茶にコーヒーと牛乳を混ぜた飲み物がある

(知らなかった。。。)


煎茶はどうだ?

抹茶に比べて、煎茶も国や民族によってかなり評価が異なります。

米国 4.2点

ふつう飲んでいるものより良い

値段が高そう

(つまり、高級品を見抜くだけの経験アリ。)

中国 3.4点

中国のものと味が違う。草の味がする

タイ 2.6点

シロップを入れたい

英国 2.4点

泥のような味!

(英国は、紅茶の伝統があり、煎茶は受け入れられないらしい。)

もちろん、個人差もあるでしょう。
それに、ヨーロッパと言っても、英国とフランスではまた異なる結果になるでしょうし、フランスでも例えばパリなど煎茶が受け入れられている街もあるので、国・地域・街で「味の評価」がだいぶ変わってくる。


その他の食材は?

このJETROの動画には、他にも、白米、シイタケの醤油いため、なども。

この動画は必見です!
JETROサイトから視聴できるので、興味のある方はぜひ。
(注意!動画は大量データのため、wifi環境で視聴してください。)

JETRO「おいしい日本の食べ方 国が変わればこれだけ違う!」 

JETRO「世界は今 番組トップ」

市場調査も重要だけれど、やはり「消費者の生の声」「生の評価」はとても重要。
展示会や旅行での、短時間の会話や観察では、まったく不十分だったな、と痛感しました。
このようなテストを、国・地域を広げて、様々な食材で、そして定期的に行ってもらえると日本産食品の輸出の可能性がどんどん広がりそう。
これこそ、TV番組で取り上げたら、面白いのでは?

ライター: 植草 啓和(JBマーケット)
優れた日本の商材を国内、海外へ。
https://jbmarket.jp

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