日本の食品輸出EXPOの攻略法 (3) 海外バイヤとの 商談準備

日本の食品輸出EXPO 商談の準備
日本の食品輸出EXPO 商談の準備

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展示会まで、あと1週間。いよいよ 商談準備 も大詰め。
懸案の通訳もようやく決定。
商談予定件数もなんと60件を超えてしまいました。
既得意の海外バイヤーからも「当日、行くから」との連絡も何件か。
商談会までの準備状況をご案内します。

 

商談準備 に2カ月前から着手

今回は、実は2ヶ月前から準備を進めてきています。
問題は、英文パンフレットをきっちりと作り上げること。
そのため、共同出展社の方々から、会社情報・商品情報を頂戴しました。
さらにヒアリングを重ねて、海外バイヤーの視点で、彼らの求める「ストーリー」「キャッチ」を整理することに。
出展社の会社情報・商品情報を、約30頁のPDFカタログを作成し、海外バイヤが自由にダウンロードできるようにしました。
出展社によっては、そのまま英文パンフレットとして使っていただくことになりました。

植草
PDFカタログの内容については、以下をご参考ください。
資料ダウンロード「2018 Japan Premium Foods(日本の食品輸出EXPO PDFカタログ )」

 

Web上で海外バイヤとやり取り

アフターフォローを確実に、そして迅速に行うために、当社JBマーケットの英語サイトに商品も登録。
海外バイヤは、パソコン、スマホから商品情報を確認し、その場で生産者にメッセージを送ることができます。
英文メッセージでも大丈夫。
AI翻訳機能があるため、英語は日本語へ翻訳して、生産者の手元に届きます。

日本語に翻訳されたメッセージを読んで、海外バイヤへ日本語で返信。
もちろん、日本語から英語に翻訳されて、海外バイヤの手元に届きます。

海外バイヤからの難しい質問や依頼に対しては、私も含めて当社でアドバイスや支援をしています。
生産者と海外バイヤの双方にとって、ストレスが無いよう、できるだけきめ細かく対応しています。

 

既得意の海外バイヤへ連絡

既得意の海外バイヤに対しては、1カ月半前くらいからアプローチを開始しました。
海外バイヤの手元には、さまざまな郵送物が送られてきていると思います。
そこで、今回は、親展メールとしてお送りしました。

その際に、さきほどの英文パンフレットのリンク先を貼付しておき、海外バイヤのパソコンに、自由にダウンロードいただけるようにしています。
英文パンフレットをクラウド上に置くことで、実は、バージョンアップも行うことができます。
追加情報、レシピなどを、順次加えていくこともできます。

もちろん、冊子で配布する場合ことも可能でしょう。
でも、海外では日本よりインターネットを活用します。
冊子などの紙は、海外バイヤにとって、そうたびたび見ることはなく、狭い机の上にかさ張ります。
PDFは、パソコンを使って検索もできます。
仮に内容を修正・更新して「最新バージョン」にしておくこともできます。
もちろん、印刷費や郵送費もかかりません。

 

展示会でのブースレイアウト

ブース・レイアウトの検討には、かなり時間を掛けました。

なぜなら、今回の展示会の目的は「商談メイン」です。
「名刺の数」ではありません。
そのため、商談スペースを、可能な限り広く取ることでメリハリを付けました。
6mx2.7mのスペースに、無理を承知で、5セットの商談テーブルと椅子を設置したのです。
ブース施工担当者から「う~ん、椅子が入りきれませんよ」と指摘を受けましたが、踏み切りました。

こうして、当社を含めて、5社それぞれが専用の商談テーブルを持つことになります。
狭いブースを活用するために、テーブルも半径60㎝の丸テーブルとしました。
このテーブルの上に、時には最低限の試飲試食用のサンプルを設置しておきます。

一方で、通路サイドに、4社の展示台を並べて設置しました。
もちろん、試飲試食、商品説明、サンプル提供に特化した、最小限のスペースです。

担当者は展示台の後ろに1名、通路側に1名。
そして、商談に1名。
1社あたり、合計2~3名で対応することになります。

 

タイムキーパーを設置

商談予定件数がかなり増えてきたときに、このまま会期に突入すると危険だと感じました。
海外バイヤの中には、時間より早く来る人もいるでしょうし、遅れてくる人もいるでしょう。
もちろん、展示台で興味を持たれて、飛込みで商談を受ける場合もあるでしょう。

商談のために来られた海外バイヤをテーブルに案内し、出展者と通訳に知らせたり、早く来られたバイヤに空いている椅子をすすめたり、疲れているバイヤには待っている間に試飲試食をしていただいたり、とさまざまなケースが考えられます。

そのような時に、時間管理を行える担当者が必要になります。
どんな時でも冷静に全体の商談管理を行うことができる、そんな強い味方に「タイムキーパー」を担当してもらいました。

 

通訳の手配

今回、通訳については、外部業者に依頼するのではなく、「知り合いの輪」を手繰っていって、紹介していただきました。
そのため、非常に心強い方々に協力いただくことになりました。
日本2名、中国1名、台湾1名。

当初は、留学中の大学生も考えていましたが、ビジネス経験がないと「海外バイヤとの商談」の場では厳しい、と思い、断念。

出展社以外に、以上の通訳4名、タイムキーパー1名というのが、今回の運営態勢になります。

 

商談マニュアル、商談シート

一方で、最も悩んだのが、経験不足ということです。
今回の出展社は誰も「海外バイヤとの商談経験」をお持ちではありません。
もちろん、通訳もタイムキーパーも、商談は初めての経験。

そのため、共同出展社の商談担当の方に、商談の勘どころを整理してお伝えすることにしました。
そして、海外バイヤそれぞれについて、一枚ものの商談シートをまとめておくと、何かと便利です。
そのようなマニュアルと商談シートを、当日までに作成し、印刷してお渡しすることにしました。

 

商談マニュアル、商談シート

また、間接取引がメインとは言っても、手元資料としてFOB価格表を持っている必要があるかもしれない、と考えました。
そのため、懇意にしている商社に相談して、コンテナ混載(LCLベース)での価格表を、出展社事に作成しました。
コンテナ輸送(FCLベース)に比べると、どうしても割高になってしまうため、念のため1立方メートルの上限一杯にパレット組した場合を想定して、FOB価格を算出することにしました。

かなりの準備作業になりますが、こうしたきめ細かい対応に、当日の商談の成否がかかっている、と肝に銘じて、とにかく努力することにしました。

次回は、商談終了後のご報告になると思います。
お楽しみに。

 
ライター: 植草 啓和(JBマーケット)
優れた日本の商材を国内、海外へ。
https://jbmarket.jp

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