実は、2018年10月10日から12日まで幕張メッセで開催される「第2回 日本の 食品輸出EXPO 」に、当社JBマーケットを含めて5社で共同出展することにしました。
これから複数回にわたり、海外進出・販路開拓の実践編として、海外バイヤ向けの展示会の攻略法を実況中継的にご報告していきたいと思います。
もちろん、実況なので、試行錯誤も何もかも、ありのまま、ご案内していきたいと思います。
(共同出展社の各社様にとっては、差し障りのない範囲にとどめます。)
国内展示会と海外展示会の違い
国内と海外では、展示会の雰囲気がまったく違っています。
「和心品質」でも何度か、形を変えて取り上げてきました。
その違いをかんたんに言えば、
海外の展示会の目的は、商談と取引、一方、国内では情報収集と名刺交換
ということになるでしょうか。
ちょっと極端かもしれませんが、大きく区別すれば、そうなるかと思います。
以下もご参考ください。
本格的な海外バイヤ向け展示会
2017年10月から始まった「日本の食品輸出EXPO」は、海外展示会と同じ切り口です。
半信半疑だった私は、第1回を拝見してみて、正直、驚きました。
各社のブースには、テーブル・椅子などのいわゆる商談セットが置かれていました
そして通訳を介しての本格的な商談が、そこここで繰り広げられていました。
一方で、一部の生産者や販売者(私たちはバイヤに対してサプライヤと呼んでいます)は、戸惑っているようでした。
たぶん、従来の国内展示会のやり方に慣れてるため、海外バイヤとうまく話が合わないようなのです。
つまり、海外バイヤから商談を持ちかけられても、海外バイヤ向けの商品説明書や価格表が手元になかったり、通訳がいないためうまくコミュニケーションが取れなかったり、と海外バイヤも困っているようでした。
展示会をくまなく見ているうちに「これなら海外の販路開拓はかんたんにできそうだ!」と確信しました。
そして、出展条件などを調べることにしました。
出展条件のハードルはかなり高かった
主催者によると、出展条件は、以下の3つです。
- 英語パンフレット
- 通訳常駐
- 商談セット設置
いかがでしょうか。
「商談メイン」という目的がひしひしと伝わってきます。
しかし、そのハードルの高さにも、腰が引けます。
特に言葉の壁が高い。
それより問題は、出展料がめちゃくちゃ高いこと!
これを読まれているあなたにとっても、ご存知のことかもしれません。
最低出展スペースの半小間(3mx2.7m)でも44万円。
ブース装飾・レンタル費用は、半小間でも19万円。
これに、さらに通訳費用などがかかってきます。
0.5小間(3mx2.7m) | 1小間(6mx2.7m) | |
---|---|---|
小間料 | 44万円 | 88万円 |
ブース装飾費用 | 19万円 | 38万円 |
通訳料(0.5小間で1人) | 11万円 | 22万円 |
費用合計 | 74万円 | 148万円 |
この展示会では、有力な海外バイヤを、宿泊費、場合によってはフライト費用も負担して、来日してもらっているようです。
その特別招待は、1500名に及ぶ、とのこと。
もちろん、私は、主催者側の人間ではありません。念のため。
う~ん、これでは、大企業でなければ、なかなか出展するのは厳しそうだ、と痛感しました。
実際、第1回でも中小メーカーの出展は、かなり少ないように感じました。
どちらかと言うと、ナショナルブランドが目立った、というのがその時の印象です。
その時、ピンと来たのは、
仮に高品質のこだわり食品を出展すれば、海外バイヤの目に留まる可能性は高い!
ということです。
共同出展ならどうだ?
その後、懇意にしているまるはら・原次郎左衛門社長(私にとっては海外食品輸出についての先生とも言える方です)と話していて、「日本の食品輸出EXPO」の話題になりました。
原社長曰く、
「出展したいけれどね。一社じゃ難しいね。でも何社かで共同出展するなら、、」。
そこで、さっそく海外販路開拓を志されている生産者の方に、共同出展を打診してみました。
すると当社を含めて5社の共同出展が決まりました。
意を決して、ブース1小間を借りることにしました。
共同出展社のプロフィールは以下の通り。
- まるはら(大分県) : 鮎魚醤、寿司醤油、柚子ぽん酢、など
- 木戸食品(青森県) : 陸奥湾のホタテ塩焼き、など
- 丸惣(和歌山県) : 南高梅の梅酢サイダー、梅酢ドリンク、梅黒糖あめ、など
- 私市醸造(千葉県) : 赤酢、江戸前寿司用のすし酢(赤酢・米酢)
- JBマーケット(千葉県) : 当社。海外バイヤのマッチングサービス
各社とも、こだわりの食品を生産されていて、私から見ても十分に海外バイヤの興味を惹く逸品揃いです。
これまで海外販路に巡り合っていなかったのが不思議なくらい。
気になる共同出展料を、なるべく低コストにするために、ええいままよ、と5社按分にしました。
これには、出展料・ブース装飾レンタル費・通訳・マーケティングなどが含まれます。
出展者にとって、オール・イン・ワンのパッケージになります。
それでも、結構な金額になるのは、仕方がないことですが。
費用に見合うためには、少なくとも複数件の大口の商談を成立させよう、何が何でも実現させよう、と決意しました。
この準備作業は、各社の協力をいただき、6月から本格的に着手。
英語パンフレット、JBマーケット英語版(海外バイヤ向け)への登録、ブースレイアウトの調整と業者手配、など。
その詳細については、あらためてご案内しましょう。
さて。
1か月前の9月に入って、主催者による商談予約受付が始まりました。
実は、それまでは、この商談アポ、せいぜい展示会までにそこそこ入れば良いだろう、と高をくくっていました。
自力で、懇意にしている海外バイヤへの案内と、事前に商談アポをとっておけば良いだろうと考えていました。
ところが、この見こみは、かなり甘かった。
実際には、一日数件、欧米アジア各国のバイヤから商談予約が入ってきます。
実に、2週間程度で、共同出展の商談アポの総枠の、なんと半分以上が埋まってしまいました。
人気のある会社では、会期3日間20枠の8割が既に埋まってしまいました。
まだ、展示会まで4週間もあるのに、です。
これにはびっくり。
次回はこの「商談アポの取得と勘どころ」についてご報告したいと思います。
ライター: 植草 啓和(JBマーケット)
優れた日本の商材を国内、海外へ。
https://jbmarket.jp