日本の食品輸出EXPOの攻略法 (4) 商談状況

日本の食品輸出EXPO 商談状況

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第2回日本の食品輸出EXPOは、無事終了。
始まってしまえば、当初の心配は、どこへやら。
いくつもの幸運が重なり、思わぬ成果になりました。
3日間の 商談状況 を振り返ります。


展示会の結果について

商談回数は、のべ70件以上、海外バイヤの国の数は、20か国以上
出展社は、各社とも15~20件もの商談を行ったことになります。

しかも、各国で著名な海外バイヤが何人も、商談に来ていただきました。
この3日間、私は、コーディネーターとして、25件近くの商談に加わりました。

もともと商談予定が8割方も埋まっていたところに、No Show(時間に現れない)のケース前倒しのケースなど、商談スケジュールはかなり複雑に。
タイムキーパーが居なければ、大混乱になるところでした。

それでも、もっとも忙しかったのは、初日。
なるべく早く欲しい商品を確保したい、という熱意のある海外バイヤで、毎回ほぼ満席状態でした。

逆に3日目はNo Showが増えた一方で、飛込みの海外バイヤがじっくりと腰を据えて商談したり、親しくなった有力な海外バイヤや国内商社の方々が息抜き・雑談をしに何度も訪れていただいたり、とさらに親密度を深めることになりました。


問題は、商談内容

商談件数はともかくとして、問題はその商談内容です。

今回は、「間接取引」を前提として商談を受け入れていました。
繰り返しになって恐縮ですが、「間接取引」とは、国内商社に間に入っていただくことで、様々な貿易実務を国内商社にお願いすることです。
実質的に「通常の国内取引」となるため、輸出経験のない食品メーカでも簡単に食品輸出することができます。

間接取引の商流

間接取引の商流

そのため、商談のっけから「国内の担当商社」を確認する、という段取りです。
仮に、担当商社がいない場合には、その国に強い商社を積極的に紹介するなど、とにかく取引に結び付けるよう努力しました。

既に、担当商社がいる場合には、国内販売価格を前提として、海外バイヤは卸価格をざっくり計算しているようです。
念のため、各社ともFOB価格表も準備しておきましたが、ちらりと確認されるだけで、ほとんどのケースで渡すことがありませんでした。

むしろ、こだわり商品にファンになっていただき、互いに信頼できる相手なのかを見極めることに時間を使いました。
初めて日本食品を日本人相手に輸入しようとしている海外バイヤもいて、彼らにとってもこの「信頼関係の構築」が重要なのだ、と感じることもありました。
最後に、価格表とサンプルを担当商社にお送りする段取りなどを決めて、がっちり握手して、記念写真。

当初は、商談に40分近くを予定していました。
各社とも慣れてくると、30分程度で一通りの商談をこなすことができるようになっていました。
特に、通訳が機転を利かせて、会社や商品のこだわりやキーワードを含めて商談前半で説明したことが、時間短縮化につながりました。
実は、今回の通訳は皆、運よく国内・海外で6年以上の駐在経験のある人材だったので、国内外の文化の違いをよく理解していたのが良かったのかもしれません。

もう少し詳しく流れを説明しましょう。

今回の商談の流れ
  • 商談当初に、「間接取引を希望していること」「国内に担当している商社がいるかどうか」を確認
  • 商品にまつわるストーリーなどを説明
  • 海外バイヤの質問にも答えつつ、何を求めて商談に来られたのかを探ります
  • 実際に試飲・試食していただき、感想を確認
  • 各国の規制や、価格表・商品仕様書などの必要資料やペンディング事項などを確認
  • 互いに打ち解けたところで、立ち上がり握手
  • 最後に、皆で記念写真



商談シートと写真が役立った

出展社それぞれが、私の作成した商談シートを自分なりにお使いになられていました。
中には、商談シートをメモ代わりにされている方も。

「商談件数が10件以上、しかも英語や中国語となると、記憶が曖昧になる」

「話した内容、約束した内容を書き留めておくと便利」

「商談シート」のメモ欄を上手に使い、頂戴した名刺をホッチキス止めされていました。

また、海外バイヤとの記念写真も重要でした。
出展者の皆さんには、最後の握手と記念写真をしつこくお願いしました。
もっぱら通訳にカメラマンになっていただき、海外バイヤや国内商社の方々と一緒に、商品のパネルの前で商品を片手に写真を取っていただくのです。
名刺だけだと、相手の顔を思い出せません。
しかし、互いの笑顔の写真を見れば、話し合ったことがかなり思い出すことができます。
それは、私たちだけでなく、海外バイヤの方々も同様だと思います。
後で、その写真を眺めるだけで、そのときの試飲試食の感想、話し合った内容がわかるのです。


国内商社との打合せ、連絡

大手の海外バイヤの場合は、国内商社の担当者や通訳を連れてきていることもありました。
間接取引(国内取引)を前提にしていますから、その場で国内商社の担当者と卸価格を相談することも。

ご一緒されていない場合でも、その場で連絡先を紙で渡されることもありました。
その際には、会場からすぐに連絡先に電話していただき、価格表とサンプルの提示について相談していただきました。

そこまで急ぐ理由は、海外バイヤが来日して対面する機会が、この3日間に限定されるからです。
特に、海外バイヤでも、オーナーや経営陣の場合は、意思決定が速い一方で、帰国された後のやり取りは、極めてシンプル。
細かい条件などをメールで相談・やり取りすることは、少ない(できない)と考えた方が良いと思います。
特に、価格など取引の意思決定に必須な条件は、できるだけ早く国内商社を介して提示することが重要なのです。

そして、次に重要なのは、サンプルを提供すること。
海外バイヤだけでなく、国内商社もその商品を取り扱うために、サンプルを試飲試食していただいた方が良いでしょう。
場合によって、国内商社から、他の海外バイヤを紹介していただくこともあるのです。


3日間の 商談状況 を振り返り

振り返ってみると、初めての海外バイヤとの取引・商談というより、日本ファンである彼らとの人間関係や信頼関係の構築に注力したような気がします。
ここで培った信頼関係という基盤が、単なるビジネスライクな取引を超えた、日本ファンとして商品を宣伝し売っていただくことにつながっていくものと信じています。

次回は、アフターフォローについてご案内したいと思います。

ライター: 植草 啓和(JBマーケット)
https://jbmarket.jp

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