海外では、日本から輸出された食品は、現地のモノと比べると高い!と言われます。
販売価格 には、輸送費、関税、保険、そして現地の卸や小売店の利益が乗ってくる。
どうしても現地生産品と比べると高くなるのは、当たり前。
では、どのくらい高くなってしまうのか?
また、FOB価格の計算方法についてもご説明いたします。
日本産食品の 販売価格 の試算
ざっくり試算してみましょう。
<例: 小売店で販売される日本商品 >
- 現地小売価格 = 国内仕入価格 x 3~4倍
- 国内小売価格 = 1000円
- 国内仕入価格 = 700円 (掛け目70%の場合)
- 現地小売価格 = 700円 x 3~4倍 = 2100~2800円
- 現地小売価格 = 国内小売価格 x 2.1~2.8倍
通常は、
となります。例えば、
つまり、国内小売価格の約2~3倍の値段になります。
これに、為替レートの変動が加わり、現地での「価格感」となるわけです。
現地では、誰が購入するのか?
では、誰が一体購入するのでしょうか?
これも単純化すると、次のいずれか、あるいは両方になります。
- 現地の富裕層
- 熱烈な日本ファン
「(2)熱烈な日本ファン」であれば、国内でのファンと同様に、購買の決め手は、価格よりも品質でありブランドになります。
問題は、「(1)現地の富裕層」です。
この富裕層は、一体どのくらいの年収があり、どこで買い物をしているのか、が分かれば、そこに焦点を絞っていけばよいのです。
以下もご参考ください。
海外バイヤから求められる「 FOB価格 」とは?
ところで、海外バイヤから「価格表(Price list)を出してくれ!」「見積(Quotation)を出してくれ!」と頼まれた方もいらっしゃると思います。
通常、価格表は CIF価格 、 FOB価格 という 貿易条件 に基づく価格のことを指しています。
- CIF価格は、輸出者が相手国の港で荷揚するまでの費用を含む。
国内卸価格に、国内輸送・梱包・通関・海上輸送・保険料等の費用を加えて算出します。- FOB価格は、輸出者が国内の港で本船に荷積みするまでの費用を含む。
国内卸価格に、国内輸送・梱包・通関などの費用を加えて算出します。(Wikipediaより。内容編集済み)
ところがこれを出すためには、ご存知のように、商流・物流を組み立てないと、なかなか出せません。
貿易に関する知識がまず必要になります。
そして、輸出・輸入業者を決めることも必要です。
「取引ロットがわからないと、価格の出しようがないじゃないか!」と思われた方もいらっしゃるでしょう。
その通りだと思います。
そこで、以下、FOB価格の計算方法をご紹介いたします。
FOB価格の計算方法
いちばん単価が安くなるのは、海上輸送かつFCL(コンテナを丸々一つ借りる場合)となります。
しかし、海外バイヤもいきなり大量の現地在庫を抱えたくはありません。
そのため、当面は、海上輸送かつLCL(輸送業者のコンテナに荷物を混載する場合)の方が、現実的でしょう。
問題は、国内輸送費用、通関など輸出書類手続き費用、そしてコンテナ・ヤードでの取扱・移送費用です。
- パレット・セットアップ:輸出業者によるパレット組の料金。ここでは、同一品目で1パレットを組んだ場合を想定。パレット台費用を含む場合もある。
- CFSチャージ:貨物のコンテナへの荷捌き及び取り扱い費用。1パレットあたり。
- 輸出書類作成費:輸出に関する書類作成の費用。1件あたり。
- ハンドリング・チャージ:コンテナターミナルにおける、コンテナの移送・積載費用。1パレットあたり。
- 通関費用:輸出通関申告1件あたりの費用。
- 国内輸送保険代:必要に応じて。
- その他、梱包費用、国内輸送費、入庫・出庫料、など
いかがでしょうか、積み上げていくと、かなりのコストになります。
基本的に、パレット単位でさまざまな費用がかかってきます。
海外バイヤの価格メリットを考えると、なるべく単価を抑えた方が良いでしょう。
一方で、在庫リスクのデメリットも想定しておくことも必要だと思います。
商品にもよりますが、パレット組み最大量であれば、FOB価格単価を安くすることができます。
仮に、この最大量を、海外バイヤに対する最小発注数量とされる方も多いようです。
そこで、FOB価格の試算表サンプルをご用意いたしました。
商品の卸価格、箱(カートン)のサイズや数量、などから、箱あるいは1個のFOB価格を試算することができます。
また、海外バイヤへ提示するFOB価格表のひな型も付いています。
メニュー「資料ダウンロード」から、サンプルEXCEL表をダウンロードすることができます。
ご参考ください。
いきなり「CIF価格を出せ」と言われても困る!
しかし、海外バイヤーから、「FOB価格では取引しない、CIF価格を出してほしい」と突きつけられることもあります。
「そんな、輸出するのは、初めてなのに」
「でも、断るのももったいない、、、」
そのような場合、最初のステップとして「商社経由で輸出する方法」が望ましいと思います。
いわゆる「間接輸出」です。
取引量が多くなれば、自社に輸出担当を置き、「直接輸出」に切り替えれば良い。
それまでは「間接輸出」すれば、「国内取引・国内決済」となり、取引リスクもかなり減ります。
(もちろん、リスクがまったく無い、というわけではありません。)
この場合、さきほどの海外バイヤへは「直接取引の経験が無いので、国内商社経由で取引したい」「CIF価格の代わりに、商社経由で現地の価格表をお渡ししたい」旨をお伝えします。
そして、所在国(あるいは都市)への取引実績のある国内商社と現地商社を探し、その現地商社経由で価格表を出していただきます。
ちなみに、当社では、海外バイヤのリクエストに沿った国内商社・現地商社をセットアップしております。
海外バイヤから「あなたの商品の見積りが欲しいが、日本に指定商社がいない」という依頼を受けた場合には、お役に立てると思います。
現在では、商流セットアップにそれほど時間がかかりません。
ご興味のある方は当社までお問い合わせください。
2018年12月20日更新(2016年9月16日公開)
ライター: 植草 啓和(JBマーケット)
優れた日本の商材を国内、海外へ。
https://jbmarket.jp
資料ダウンロード「 FOB価格 表サンプル EXCEL」